予備校レポート Yobiko Report
「佐野らーめん店」で新しい人生を歩んでいく受講生や講師の方たちを、佐野らーめん予備校スタッフが直撃取材しました。
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佐野らーめんの背景を楽しく学んで興味喚起。
本場佐野に足を運んでほしい。
佐野らーめん予備校
代表 若田部 賢
作成日 2024.10.25
試行錯誤を重ねて開発された『佐野らーめん食育キット』。2024年3月の販売開始後、実際にキットを使って作る体験会を開催しました。今回はその体験会の様子や今後の展望について、予備校代表の若田部がお伝えします。
本格的な材料と工程で作る佐野らーめんの楽しさと学び。
当校が開発した食育キットは、ご自宅で佐野らーめん作りを楽しんでいただくことはもちろん、材料や作り方についてもいろいろな視点から学べる内容になっています。このキットをきっかけに佐野らーめんに興味を持ち、「お店で本場の味を食べてみたい!」と思って佐野に足を運んでいただくことを最大の目的としています。実際のらーめん店と同じようにすべて材料から手作りする本格的な工程には、驚きや新たな発見がたくさんあり、作る過程そのものも魅力にあふれています。きっと佐野らーめんへの関心を一層高めてくれるはずです。実際、先日開催した体験会では、参加者から我々が期待していた以上の反応があり、このキットの可能性を感じました。
「やってみたい」と、子ども自ら積極的に。
体験会に参加してくださったのは、メインターゲットである小学生のお子様を持つご家族でした。元々このキットはご自宅でスタッフの説明がなくても作れる仕様になっているため説明は最小限にとどめ、キットに含まれるワークブックを参考にしながら作っていただくという流れです。親子でのコミュニケーションをとりながら楽しんで作り上げられるように意識しながら、親御さんが調理を促してお子様が徐々に調理に慣れていく、といった様子を想定していましたが、驚いたことに、料理のお手伝い経験がないお子様たちも、積極的に「自分でやりたい!」と開始早々から意欲を見せてくれました。また、難しい工程では親御さんが手を差し伸べる場面もあり、親子で協力して作業する微笑ましい姿もたくさん見られました。
たとえ不恰好な仕上がりでも、ほっこり笑顔になれる。そして前向きになるための余白。
親御さんとしては、慌ただしい日常ではコンロの火や包丁が危ないという理由で、お子様が料理をすることやお手伝いに対して躊躇することもあると思います。しかし、いざ食育キットで楽しんでみよう!となれば前述のように積極的なお子様たちの新しい一面を見ることができます。体験会では、その点に加えて、もうひとつ印象的だったことがありました。それは、お子様が自ら進んで取り組む姿勢だけでなく、失敗を恐れずに挑戦していたことです。結果として、麺がうどんのように太くなってしまったり、ゆで加減がうまくいかなかったり…それでも家族みんなで笑いながら味わい、満喫してくれました。スポーツやゲームのように、簡単にうまくいかないことに挑戦して、段々うまくなっていく楽しさを実感する場面でした。
初めて知る佐野らーめんの材料に驚き!
普段は完成品のラーメンしか見たことがないお子様たちにとって、キットの材料を初めて目にした時は大きな衝撃だったようです。特にゲンコツは、その生々しさに驚きの声が上がりました(写真左下参照/インタビューに応える若田部)。血の筋やゴツゴツした見た目に「これがラーメンに入るの?」と戸惑う様子も見られました。ゲンコツを洗う際には「気持ち悪い!」という反応がありましたが、子どもたちって柔軟性がありますね。すぐに慣れてくれました。なお、キットに含まれる材料は実際のお店で使用されているものと同じです。こうしたリアルな体験を通じて、普段目にすることのない調理の裏側を感じてもらうための工夫が食育キットにはたくさん詰まっています。
さまざまな学びが詰まったキット。
調理するだけでなく、お子様たちにとって他にもさまざまな発見があったようです。例えば、「お父さんやお母さんも、こんなふうに毎日料理を頑張ってるんだね」という感想が出て、食事に対して自然と感謝の気持ちが芽生えていく様子が見られました。また、イベントでは食事の後片付けも体験してもらい、普段はあまり意識しない片付けの手間に気づいた子もいましたね。料理を作るだけではなく、最後までやり遂げることの大切さを感じたお子様たちからは、「これからは家でもお手伝いするね!」という前向きな声が聞かれました。食育キットを通じて、家での役割分担や親子の会話がもっと増えてくれると嬉しいですね。
作りがいがあるけど難しくないバランスが肝。
このキットは、佐野らーめん職人さんの協力により、本格調理でありつつ誰でもおいしく佐野らーめんが作れるよう工夫されています。手間はかかるけれど難しすぎないというバランスに留意して開発しました。調理にかかる時間はだいたい3~4時間ほど。親子で協力しながら会話を楽しむことで、単なる調理ではなく、家族の思い出作りにもなります。また、青竹手打ち麺は佐野らーめんの象徴とも言えます。ぜひキットに含まれる本物のミニ青竹を使って、強いコシと弾力のある麺づくりに挑戦してほしいです。佐野らーめんに興味を持ってもらうために様々な切り口から考え開発された食育キットですから、一度体験した方は、きっと本場佐野へ訪れたいと思ってくれるはずです。
楽しんで作る様子を伝えて親和性を図る。
佐野らーめん予備校では、頻繁にメディア取材があるため、それに合わせた食育キットの露出により認知向上に努めておりますが、このキットの魅力をしっかり伝えることも重要と考えています。そのため、実際に食育キットを使った方のご家族が楽しく調理している様子を共有し、親和性を高めていく取組を推進しています。現在は、インスタグラムで『#さのまるにとどけ』というハッシュタグを利用しています。今後は、このハッシュタグを活用した参加型キャンペーンを継続し、写真だけでなく動画で楽しい調理の様子をリアルに伝える工夫もしていく予定です。また、新横浜ラーメン博物館との提携や、各地での体験会開催といった施策にも力を入れ、この佐野らーめん食育キットの魅力をさらに広めていきたいと考えています。