予備校レポート Yobiko Report
「佐野らーめん店」で新しい人生を歩んでいく受講生や講師の方たちを、佐野らーめん予備校スタッフが直撃取材しました。
02
老舗店の火を消さないために、
後継者を目指した菅原さんが、
独立開業を目指すまで。
菅原 勝之さん
作成日 2021.11.1
受講生を紹介するレポート第2弾は、独立開業する直前の菅原さんです。オープンに向けて準備真っ只中の店舗に伺い、きっかけから独立までのお話をたっぷりと伺いました。
きっかけは、佐野らーめんの後継者不足を題材にしたテレビだった。
菅原さんは秋田県出身で、以前は製造業の会社に勤務していました。ある日、自宅でたまたま見ていたテレビで佐野らーめんの後継者不足について知り、とても驚いたそうです。「佐野らーめんはとても有名なのに、店を閉めなくてはならない。それは大変もったい無いと思ったんです。何か私にお手伝いできることはないかなって」。ラーメンが好きで、前々からラーメン屋さんをやりたいと思っていた菅原さん。漠然と抱いていた夢が、この日を境に、佐野らーめんを仕事にするという具体的な目標に変わりました。
初めて食べた佐野らーめんに、感動!
実は、佐野らーめん予備校プロジェクトに参加するまで、栃木県に訪れたことはなく、佐野らーめんを食べたこともなかった菅原さん。不安はなかったのか当時の心境を訊ねると「全くなかったといえば嘘になりますが、佐野市の取り組み方が素晴らしく、安心して挑戦できると思いました」。ラーメン作りはもちろん、経営の仕方、佐野市に移住するための段取り等、全てをサポートするという体制を知り、不安は一切消えたそうです。
初めて佐野市を訪れた日に食べた佐野らーめんは日光軒。「とても美味しかったので、日を変えてさらに他の店舗のラーメンを食べ比べてみました。店によってスープも麺も違い、しかもどのお店も美味しい。佐野らーめんは奥が深いラーメンだと気づき、さらに興味がわきましたね」。決心がついた菅原さんは家族に相談。奥さんも賛成し、本当の挑戦が始まることになりました。
新たに自分で店を出したいという気持ちが芽生える
ラーメンの講義は、スープ作りから。講師は日光軒の店主である五箇さんでした。「本当に驚いたのですが、何から何まで全て包み隠さず教えてくれたんです。ラーメンにとってスープは要。それを全部、しかも、日光軒のスープのレシピまで教えてくれました」。その後、麺作りになった際も、手打ち麺の作り方、水の割合やかん水の入れ方など、全て教えてもらうことができたそうです。「既存店の後継者になるという目標を持って佐野に来ましたが、ここまで教えていただけると、自分でオリジナルの佐野らーめんを作ってみたいという思いに変わりました」。佐野らーめん店を出すならば、一人ではなく奥さんと一緒に経営したいという思いがあった菅原さんは、独立したいという思いと、2人で一緒に経営したいという気持ちを改めて奥さんに伝えると、反対されることなく承諾。店舗開業への扉を2人で開けることになったのです。
初心者でも安心して挑戦できる、手厚いサポート
当初は、全く開業のことなど考えていなかった菅原さんが、独立に向けて思い切って行動ができたのは、全面的なバックアップ体制が、予想以上に整っていたことが大きかったそうです。「ラーメン店を出店するならどのような場所がいいのか、加えて佐野市のエリアごとの特性なども教えていただけました。そのおかげで、他県から移住する私のような土地勘の無い人間でも迷わず行動できたんです」。出店場所だけではなく、経営面についても同様。時期的に非常事態宣言が出ていたこともあってリモート講義ではありましたが、1日の来客数の目安や国民金融公庫といった事業資金の融資情報など、具体的に役立つ内容が多く習得できたので、動き出せる自信になったそうです。「ラーメン作りだけでなく、家族の移住先や店舗の出店場所、経営面、全ての分野ごとに、それぞれの専門家が存在します。しかも、手厚くサポートしてくれるので、佐野らーめんを作りたいという人には最適な環境が整っていると思います。」
秋田の食材を使用した佐野らーめんを考案中!
菅原さんは現在、来月末のオープンに向けて、ラーメン作りの仕上げに入っているところでした。「佐野らーめんは醤油と塩の2種で、故郷の秋田の食材も使用したいと考えています。現時点では比内鶏が候補の一つ。また、スープのダシを取る時に使用した具材を使って、カレーもメニューに入れたいと思っています。」
佐野らーめん予備校ではお店を出す際、関係者を呼んで試食会を開きます。客観的に味の評価をし、時にはダメ出しをすることで、よりクオリティの高いラーメンにするためです。「日光軒から教えてもらったラーメンを基本に、自分らしい味わいの佐野らーめんにしたいと思っています。店名は『麺屋ブラス』。菅原さんと奥さんが出会ったブラスバンド部からネーミングしたもので、二人でラーメン店を成功させようとする気持ちが伝わって来ます。「また飲みたくなるようなスープのラーメンが、もうすぐ完成します。早く地域の皆さんに提供したいです。」